山と渓谷16号「台湾の山岳」

山と渓谷、戦前の号の中に「台湾の山岳」を特集する16号が出てきた。初期の山渓は毎号特集があるわけではなく、時々特集が組まれていたようで、わざわざ「台湾の山岳」を特集するのは、日清戦争の結果として台湾を割譲されたとはいえ、外地の山など内地の登山家にはあまり知られてなかったのかもしれない。

山渓16

頁を開くと、3500mを超える山は44、3000m以上なら225座になり、内地よりスケールは大きく、内地が優美なのにくらべ、コントラストがはっきりしているのだそうだ。ただこんな絶好のフィールドを有する台湾の登山の発展を妨げた大きな一因に、南国の天候とともに、「蕃人」、原住民族(高砂族)のことを挙げている。つまり原住民族に妨害を受けるのでなかなか高山深山に入り込めない、というのだ。

自分たちの古来からの住みかの闖入者に対する抵抗、防御なのだが、その軋轢から霧社事件(昭和5年)も起った。しかし徐々に台湾社会に同化され、太平洋戦争末期には「高砂義勇隊」として貢献するようになる。ちなみにその時の戦後補償は今だ進んでいない。

ちなみにこの16号は昭和7年11月の発行、日本の統治政府が「蕃」を高砂族と改称したのは昭和10年のこと。霧社事件から5年で高砂族となり、その後高砂義勇隊へと進む過程はどんなものだったのかな。

と、台湾の山岳をから話が大きくそれたけど、こんなバックボーンを知ってるといいかも。

軟弱古書店 山と渓谷の棚


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